あなたの大切なもの
莉亜さんは、刹那がいなくなってから、高校を辞めた。
莉亜さんには、めっちゃイジメられるって思っててんけど、いじめるどころか、あたしのために泣いてくれた。

「自分を追いつめんなよ。 あたしのことは気にせんでええから」

って……。

莉亜さんに

「高校…やめるんですか?」

って聞くと

「もともと辞めよ思てたとこやし! まぁ小城が居らんようなって、やっと踏ん切りついたって感じかな!」

って、笑って言った。






だけど、その笑顔の裏には、雨のように降りしきる涙があるように見えた。
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