あなたの大切なもの
1人で突っ込みをしながら家を出て行く。

あたしは考え込みながら、トボトボと通学路を歩いていると、後ろから声がした。


「ゆーちゃぁぁーん!」
 

高い声。

この声は…いーちゃんやんか…。
はぁ…いーちゃんはいつでもどこでも、ハイテンションやなあ…。
あたしテンション低いっちゅうに…。
あ゛ー、頭痛ッ!!!


「あぁ…いーちゃん……おはよう…」

「どないしたん? ゆーちゃん? そんなテンション低かったらあかんってえ! おっはよー♪」


―――ッうるさい!


「いーちゃん、めっさハイテンションやなぁ…。 あたし頭痛いねん!」

「あたし毎日テンション高いでぇ!? 高血圧やもん! あ、ごめん。 あたし声大きすぎた!?」

 
えらいよー分かっとるやん。
でももうちょい早くに分かってほしかったわ…。


「ごめんなあー、あたし全然分からんかったわあ…。 ごめんちゃいちゃい♪ あははは!」


この子わ…。
全然分かってないやないかぁ!
ったく、やっぱ相談するんはもうちょい先やな。
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