あなたの大切なもの
あたしはもう、男は信じない。
そう決めた。


4年前のあの日―――



閉ざしていた口を開け、断ろうとした。


「…ごめんやけどム―――」

「返事は明日でええから! じゃーなっ!」


そう言い残し、あたしの前から姿を消した。
その消えた背中を、ただ呆然と見るあたしは、沸々と怒りが沸いてきた。


……はぁ? 
あたし今返事しよーとしたやん!
人の話、ちゃんと聞けよ。

あたし、今めっちゃバカみたいやったやん!
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