あなたの大切なもの
次の日――――


刹那からの告白から1日が経ったあたしは、今までどおりの毎日を過ごしていた。
今はHR中…新しい学級委員を決めている所だ。


「えー、じゃぁ今日は新しい学級委員を決めるぞー。男女1名ずつや。立候補はおらんかー?」


あたしたちの担任、はげガッパこと宮野篤弘が教卓で叫びに似たような声を出す。
そんなことおかまいなしに、前に座っている綾女が話かけてくる。


「なぁなぁ、張り切っても、どうせやる奴なんか居らんよな?」

「当たり前やろ? あたしらのクラスは学校1うるさいクラスやねんから!」


…そう。
あたしらのクラスは、やる気はないわ、うるさいわ、まとまりはないわ……。
とにかく問題児ばかりが集まるクラス。
でもみんな仲良しやねん。
もちろん、はげガッパもやる気なし。

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