あなたの大切なもの
あたしは状況についていかれへん。
頭の中が真っ白や…。
そしたら綾女は言う。

「あたしは入学した時から、小城のこと好きやった」

ほうほう。


「で、あんたは告られた」

それはあたしのせいじゃない。

「あたしは百合が小城のこと好きやねんやったら、笑顔で見守ろ思ってたよ」

なるほど?

「百合はあたしの大事な親友やったからな。 やけどあんたは小城のこと、フッたよな」

そりゃな?
刹那とか正直無理…。

「あたしはそん時、小城には悪いけどやった!って思た。 やのに笑顔で普通に小城と話とるあんたが許されへんのや!」

ああ…そっか…。
だからキレてたんか…。
でもそれって、ちょっとおかしない?
ひとつ、質問を投げかける。

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