夜明け前の桜道
「咲良、おはよう」

いつもの風景から、ちょっと変わったことと言えば…葵が、此処に一緒に住むことになったこと。

「はい、珈琲」
ニコニコとしながら、葵は私の目の前に、淹れたての珈琲を、ソッ…と置いてくれた。

「ありがとう、朝はいつも珈琲なんだ」
珈琲に口を付けながら、私は応えた。

「僕、珈琲はダメみたい。」
肩をすくめて、仕方ないと言わんばかりに、オレンジジュースを口にする。

私達は、クスクス…と顔を見合わせて笑っていた。

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