標的〈まと〉
昼休みに携帯の電源を入れて田中からの返事を確認しようとしたけど返事はなかった。

病院かもしれないな…。夕方電話してみるか。心配だった…俺と田中は中学からの友達だしな。

この時、自分を取り巻く空気の流れが異常である事に全く気付かずにいたんだ。


『田中も災難だね』


振り返ると青山が笑っていた。

俺はその笑った顔が不気味で寒気がした。


こいつ一体何なんだ?


< 10 / 80 >

この作品をシェア

pagetop