標的〈まと〉
僕は必死で謝罪した。
チクッてなんかないのに泣きながら謝った…何度も…何度も。


『佐川君…ごめんなさい、ごめんなさい。許して下さい。僕が悪いんです…本当にごめんなさい』


佐川の声のトーンがいきなり変わった…。

『よぉ、青山君!誰もさぁ、お前を殺したくないんだ。取り引きしようぜ。10日で30万用意したら今回の事は忘れてやる。いい話しだろーが!』

『・・・はい』

そうとしか答えられない…。


選択肢はない。



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