標的〈まと〉
気持ちがせいて空き地からする声を気にせずに歩いていた。


『オイ!青山、待てよ』


振り返る前に僕の心臓はドクンと鳴った。

佐川だ。

ずっと僕をイジメている張本人だった。

(怖い!)

だけど逃げ出す訳にはいかない…。

明日学校で会うのだから。


『佐川君、何かな…?』


佐川と仲間の伊川、中村は手にタバコを持ち吸っていた。


『お前、チクリいれたら承知しねぇからな!』


そう言って腕を掴んだ。



< 3 / 80 >

この作品をシェア

pagetop