標的〈まと〉
破壊:賢一の疑惑
薄気味悪い青山を無視して、俺は田中の方を見た。


明らかに俺の方向を意識して見ないようにしている。

休み時間はあえて声をかけずに昼休みまで待った。

『田中、話しあるんだ。ちゃんと聞いてくれ、いや…話してくれないか?』

田中がゆっくりと俺の顔見た。

『頼むよ…。俺に近寄らないでくれ。佐川に言われたんだ。お前をやれって。だけど俺は断った。そしたらこれだ…すまない…』


佐川が?何でなんだ?



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