標的〈まと〉
どこから丸めた紙くずが飛んで来た。
文字が書いてある…。
俺は無視して紙を広げずそのままポケットにしまった。

暫くするとまた飛んで来た。

飛んで来る方向は一定じゃない。

俺は段々不安よりも苛々が強くなっていた。

佐川を見ると腕を組み、俺を眺めてにやついていた。

俺は殴り殺してやりたい衝動を抑えるために、保健室に行こうと立ち上がった。

教室から出てドアが閉まった途端…誰かが叫んだんだ…。
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