標的〈まと〉
あの日からきっと僕の地獄は始まっていた。


飯島と真由が付き合い出したと分かった時…恨んだり悲しんだりする余裕はなかった。

あの頃は佐川達からの暴力に怯える毎日だったからね…。


身体中の痣を親にばれないように隠すのも大変だった…。

思い出すと悲しくてたまらない。


今なら…真由を奪えるかもしれない。
だって、今の飯島なんかより僕がいいに決まってる。


誰が見たってね…。
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