標的〈まと〉
俺達は塚田に裏門まで見送られ学校を後にした。

『真由、足…どした?』

真由は少しうつ向くとそっと答えた…。

『階段から落ちちゃった!荷物で前が見えてなくて…』


嘘だ…、俺には分かる

『真由、本当のこと言ってくれないか?まさか…』


『本当だって!私がドジなの知ってるくせに。』

そう言って笑った。


この時、気付いてやればきっと真由を苦しめずにすんだだろう…。


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