標的〈まと〉
『僕こそごめんよ、大丈夫かい?』

真由は僕がイジメられている時も、クラス全員に無視された時だっていつも変わらない…。

普通に話しかけてくれた。

今と同じ笑顔で。


『やだ!大丈夫だって。ありがとう。青山君てやっぱり優しいね。早く教室帰ろ。HR始まっちゃう』

そう言って僕の腕を引っ張った。


僕の頭の中はこの時飯島の存在はなかった。この一瞬の出来事が嬉しくて仕方なかったんだ。



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