1と4の捜査


パトカーがサイレンをならして走って来た。

近所の人々も、何事かと出て来た。

静かな住宅街が一転して騒がしくなった。

「毎度どーも」

捜査1課の捜査員達が入って来た。

「けいぶー、どういうことっすか」

花信刑事が近寄って来た。

「どうもこうもないよ。居酒屋から帰ってみたらこうなってた」

「こ、これはデカ長さんの奥さんですか」

花信刑事も死体を見つめた。

「2階から転げ落ちたとか」

その態勢から天災と同じことを思ったらしい。

「首んトコ見てみろ」

「索条痕ですか、やはりコロシ」

天災はコクリと頷いた。

「佐山巡査部長は何処行ったんですか」

「中」

天災がリビングを指刺すと佐山が現れた。

「佐山巡査部長・・・あの・・・このたびは」

花信が気を使っていると

「室内は何処も荒らされた跡はない。現金も通帳もそのままだ。物取りではないな」

と落ち着いた様子なので、花信は呆気にとられた。

自分の妻が殺されたと言うのに。

「佐山、心あたりはないのか。不審者がうろついてたとか、無言電話がかかってきてたとか」

佐山は、下を向いて考えていたが

「ないな。妻は人に恨みをかうような性格ではないと思うが」

と答えた。

「部長刑事はどうですか。今まで逮捕した犯罪者からの逆恨みとか」

手帳を開いて検証していた気品刑事が口をはさんだ。

「ないとはいえん。しかしそれならば、なぜ俺をねらわん。力子は関係ないではないか」

少し声が荒々しくなった。

平常心を装ってはいるものの、やはり内心は、かなりのダメージなのだろう。

その気持ちをさっした天災は佐山の肩に手をかけ

「ホシはわしが必ず上げる」

と言った。
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