逢いたくて
「おーう!紅葉!」
加尾ちゃんのアタシへの告白から何日か経った。
加尾ちゃんはまだ龍馬には告白していない。
龍馬は相変わらずアタシの側にいる。
アタシの胸のモヤモヤは消えない。
むしろ龍馬が近くにいると余計に感じる。
「龍馬、どうしたのこんな時間に。」
「何故か、加尾に呼び出されてのぅ。」
来た。アタシは直感的に思った。
「何故じゃろうかの。おんしはわからんか?」
「さ、さぁ?」
苦しい。
加尾ちゃんは今日龍馬に告白するつもりなんだ。
動機が激しくなる。
「おまん、早う帰るんじゃぞ。」
「わかってる・・・。」
龍馬はそう言って言ってしまった。
その場に立ちつくすアタシ。
「龍馬・・。」
遠くなる背中。
加尾ちゃんには悪いけど・・・。
見届けたい。
そうすればこの胸のモヤモヤも消える・・気がした。
アタシは龍馬のあとをこっそりついていった。