逢いたくて
龍馬がついたのは田んぼから離れた場所。
広い地面が広がっていた。
アタシは近くの茂みに身をひそめた。
「龍馬さん・・・・。」
右の方から加尾ちゃんの声が聞こえた。
「おぉ!加尾!」
呑気に龍馬は手を挙げて笑った。
「龍馬さん。来てくれたんだ。」
「おまんに呼ばれたんじゃ。来ない理由がないじゃろ。」
「ありがとう・・・。」
アタシと違ってお淑やかで綺麗で優しくて。
女らしい加尾ちゃん。
アタシは息を呑んだ。
「今日、龍馬さんに伝えたいことがあるの・・・。」
「なんじゃぁ?わしにとはのぅ・・・??」
「龍馬さん・・・あの・・・その・・・・。」
加尾ちゃんはモジモジしていた。
龍馬は何も言わずそんな加尾ちゃんを見ていた。
伝えないで。
それ以上何も言わないで。
お願い・・・。
龍馬をとらないで。
やめて・・・・だって・・龍馬は・・・龍馬は・・・・。