逢いたくて
「ぇ?」
「紅葉ちゃんが好きなの?」
加尾は悲しそうな目で俺を見つめた。
そんな目で見られると俺は悲しくなる。
「紅葉ちゃんが好きなの・・?」
けれど、ここで言わなければきっと加尾も納得しないだろう。
「あぁ・・・わしは紅葉を好いちょる。」
加尾は泣きながら俺の胸に飛び込んできた。
「か、加尾!?」
「わかった。私龍馬さんのことは諦める・・・。」
加尾は俺の胸に顔を埋める。
「だから・・・今だけはこうさせて・・・。」
「わかったちや・・・。」
俺は加尾の背中に手を回した。
加尾は声を上げて泣き出した。