逢いたくて
「ぇ?へ?嘘?」
「嘘じゃないき。」
龍馬は笑う。
「いつの間にかおまんが好きじゃった。」
「え・・・え・・・。」
「わしは、紅葉が好きじゃ。」
嬉しかった。
龍馬に飛びつくようにしてアタシは泣いた。
龍馬は少し困ったようにしていたが両手をアタシの背中に回して優しく叩く。
「おまんは・・・わしのこと嫌いか?」
「嫌いなんかじゃないよ・・・違う。」
「アタシも龍馬が好き。」
「近くにいるのが当たり前で気づかなかったの。」
「きっとあのままだったら別々の道を歩んでた。気づいたときにはきっと遅かった。」
龍馬は「好きじゃ」と言って抱きしめた手を緩めアタシを見下ろす。
「うん。好き。」
ここに、小さい頃から一緒だった幼馴染が恋人になった。
2人はずっとずっと抱きしめあっていた。