逢いたくて
「ばっ!待ち!待っ・・・!!」
アタシは泣きながら龍馬の胸を叩く。
龍馬はそれを抑えて、何かを言おうとする。
「馬鹿!!なんでそんな大事な事言わなかったの!?」
「加尾からおまんに話がいったかと思ったんじゃがの~。」
「ぇ・・・てことは加尾ちゃんには話し・・たの?」
「おう。」
それを聞いてアタシの怒りと悲しみは頂点に達する。
どうして付き合っているアタシには教えないで加尾ちゃんには教えるの!?
「どうして!どうして・・!!ひどいよ龍馬!」
「わぶっ!やめっ・・・!!」
泣いて胸を叩くアタシを龍馬は必死で抑える。
「やめぃ!!・・・あだっ!!」
「うるさい!龍馬のばかぁ!!」
アタシの最後の一撃で龍馬は倒れてしまった。
バランスを崩して後ろに倒れそうになるのをぐっと前に戻したのが悪かった。
アタシを押し倒すように転んでしまった。
「おまんはなんで泣いとるがじゃ!!」
「うるさい!馬鹿!」
アタシはそれだけ言って龍馬から視線をはずす。
「困ったのぉ・・・。」
龍馬はガリガリと頭を掻いて呟く。
「どうも、わしには女心がわからん。」
「紅葉が初めての女じゃき、扱い方がどうもわからん。」
なんてぼそりと呟いた。