逢いたくて
「龍馬さん元気そうかい?」
「・・・うん。」
手紙を胸で握り締めてお母さんに頷いた。
「龍馬ね、黒船って大きな蒸気船見たんだって。」
「へぇー。江戸はすごいのね。」
「うん・・・江戸は凄いところだよ。」
見たことのない黒船。
あの龍馬の心を躍らせるほどの船とはどんな船なんだろう。
アタシも見てみたい。
『黒船』都会の言葉だと思い胸を躍らせるアタシ。
江戸の流行りだと思っていた。
けど、そんな甘い物ではなかった。
『黒船』
それがアタシ達の運命を狂わせるものだと今のアタシは知らなかった。