逢いたくて



「土佐はええのぅ!!」


呑気な声が響く。



「りょ・・龍馬・・・・龍馬ーー!!」



アタシはやっと姿が見えた龍馬に手を振った。

龍馬は額に手をかざしてこちらを覗く。

そしてやっと気づいたのかその手を上に上げて振る。



「紅葉ーー!!」

「龍馬ぁ!!」

「ただいまじゃー!」

「おかえりーー!!」


そのまま龍馬は重い荷物を抱えて走ってくる。


「紅葉!!」


その荷物もとうとう放り出して、アタシを抱きしめた龍馬。

暖かい。

龍馬の匂い。



帰ってきたんだ・・・龍馬が帰ってきたんだ。







「ただいまじゃ・・。」

「おかえんなさい・・。」




龍馬はそれ以上何も言わずただ抱きしめていた。






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