逢いたくて
「龍馬!江戸はどうじゃったかの!?」
「黒船とかいいうでっかい蒸気船を見たがぜよ!!」
「ほう!それはどんなんだった?」
「まっことすごか船じゃ!!わしらはみんな縮み上がったぞ!」
帰ってきた龍馬は早速黒船について熱く語っていた。
そんな龍馬を見てアタシは笑う。
嬉しかった、元気に帰ってきてくれて。
「紅葉!おまんもこっち来ーや!」
「うん!!」
龍馬の膝の上に乗ってアタシは話を聞く。
江戸の流行りや城下町のこと。
吉原のことを話し始めたときに龍馬の膝をつねると慌てて弁解する龍馬。
「あれは連れて行かれたんじゃ!!」とかなんとか言って誤魔化す龍馬。
それでもいいよ、アタシの所に帰ってきてくれたんだから。
「龍馬!また明日の!!」
いつの間にか集まった人たちはみんな帰っていった。
残ったのはアタシ達2人だけ。