逢いたくて



「思い出した。紅葉、ちぃとこっち来ーや。」


龍馬に手招かれた場所まで歩いていったアタシ。

ゴソゴソと何かを探す龍馬。


「ぉ、あったあった。」


そう言って龍馬はアタシの頭を触る。


「ちょっと?何?どうしたの?」

「よし。」


手渡された鏡でそっと髪を見る。

そこには紅葉のように紅い簪が刺さっていた。



「ぁ・・・。」

「こんなもんしか買えんかったんじゃが・・気に入ってくれたかの?」

「うん・・・ありがとう。嬉しいよ。」


なんて目に涙を溜めたアタシを見て慌てる龍馬。



「な、泣くな!」

「嬉しいんだよ・・・ありがとう龍馬。」



龍馬は泣きやまないアタシの頭をそっと撫でて笑った。


「泣き虫じゃのぅ!!」



そう言ってアタシに優しくキスを落とす。

久しぶりのキスはなんだかとっても甘かった。






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