逢いたくて
「おまんは結った方が綺麗じゃと思うな・・・。」
「馬鹿!急に真面目な顔して何言うの!?」
「ふと思っただけじゃ。」
またワシワシとアタシの頭をなで回す。
「ちょっ・・・やめっ!!」
「可愛ぇのー。猫みたいじゃ。」
「なぁっ!!!」
「可愛い」という一言に思わず反応してしまう。
「んー。柔らかい髪じゃ。」
「龍馬が固いだけでしょ。」
「そうかの?ほれ、触ってみぃ。」
ずいっとアタシに頭を差し出す龍馬。
仕方なしに触る髪の毛はとても柔らかくて、女の子みたいだった。
「・・・柔らかい。」
「じゃろ?」
悪戯坊主のように笑う龍馬。
いつも見る笑顔。
「そろそろ暗くなってきたのぅ。帰るか。」
「そうだね。」
影の伸びる道を2人で帰る。
小さい頃から変わらない風景。
「龍馬。」
「なんじゃぁ?」
「龍馬は昔、夜道1人じゃ帰れなかったよね。」
「なっ!そんなことないぜよ!!」
「またまたぁ~。」
龍馬は顔を赤くして反論する。