逢いたくて
「じゃぁね。龍馬おやすみ。」
「じゃぁの~。」
ひらひらと手を振って龍馬は帰っていった。
アタシの家は龍馬の近所。
いつも龍馬はアタシを家まで送ってから自分の家に帰る。
ひらひらと手を振って。
「髪・・結ってみようかな。」
龍馬に言われた一言が心に引っかかる。
龍馬の一言が、表情が、仕草がやけに心に引っかかる。
「・・・変なの。」
アタシはシュルッと髪を縛っていた紐をほどいた。
ぱさりと長い髪が解ける。
「明日・・・結ってみよう。」