逢いたくて



次の日。


「ぎゃはは!!!なんじゃおまん!!」


村に笑い声が響いた。


「うるさいっ!!」

「ヒーヒー・・・だってよぅ・・・。」


アタシは数人の男の人たちに囲まれた。


「お前なして髪を結った?」

「どうしてだっていいでしょ!!」

「好きな男でもできたんか!!」

「なっ・・・!できるわけないでしょ!!」



と言いつつ、アタシの心はここにあらずだった。

いくら目で探しても龍馬の姿がない。


・・・って、どうして龍馬の姿を探して居るんだろう。

最近のアタシって変。



「おーい!!みんな紅葉が髪を結っとるぞ!!!」


これ以上さらし者にされたくなくてアタシは逃げ出した。

目にいっぱい涙を溜めて。






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