トリックス☆スターズ
「クッ、まぁいいや
 お前らそこそこは出来るみたいだけどな、正直あれに参加して帰って来れるとはオレは思えねぇ
 前回戻って来れたオレ様が言うんだから間違いない」

『前回失敗した理由が今分かったよ
 あんたが戻って来れたんなら、あたし達なら確実に成功させて戻って来れるでしょ?』

「話を聞けバカッ!」

『いだッ!角!!』

何故かいきなり怒鳴って、その男が持っていた本の角で頭を叩かれた。
しかも言い方は余裕のかけらすらなかった、そんなに必死になってあたし達に何を伝えたいんだ!?


「戻って来れたのは参加を辞めた奴だけなんだよ
 ここじゃ知らない者がいない位の、凄腕の連中が次々と消息を絶つのを見て、オレ等は作戦に参加するのを辞めたのさ」

『凄腕?』

「あぁ、1年前ここにはトップランクの奴が居てな…
 オレたちはそいつの戦いを見てやろうって、お祭り気分で付いてった訳なんだが
 奴は作戦に参加し、そして戻って来なかった」

『ふむ、トップランクっていくつよ8位?』

「ランク10のバーサーカーだ」

『へー、ここにランク10なんてのが居たんだ』

そう言ったけど、実際ここにどんなのが居るとか、ランク10がどんだけ凄いのかよく分かんないんだけどさ。
シンナバーがランク6で、スフェーンがランク8だから2人よりも凄いって事なんだろうけど。


「まぁ、お前らにはランク10がどれだけ凄いかなんて分からないだろうな
 難易度Sって仕事があるだろ?」

『あるね、一番難易度が高い仕事でしょ?』

「あぁ、一般向けのはSが最高だがな、実はその上があるんだ」

『へ?そうなの?』

「チッ、しょうがねぇ、かわいい後輩達に先輩のオレ様が教えてやるわ」

『とたんに偉そうな態度になったよ』

剣の出し入れをやめ、その男は腕を組んでまたカッコ付けてた。その佇まいからして弱そうにしか見えないけどね。
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