トリックス☆スターズ
「お?驚かしてゴメンな」

『ビックリしたーーッ!ベイカがどうかしたんにゃん?』

「いやなに、オレもベイカ出身だからさ、同じ出身同士仲良くしてくれよな」

ベイカ出身だというこの男、細身の長身の体格に動きやすそうな軽装備、そして巨大な両手剣を背負っていた。
こんな大きな剣を振り回せる程のマッチョには見えないけど、もしかすると脱いだら凄いのかもしれない。確かにボディーラインはとても美しい。
その美しいシルエットから想像してはみたけど、やっぱりそんなものを隠してそうは見えない。どうやってあの巨大な剣を振り回すのか見てみたいもんだ。

その男は、「ヘリオ・ブラッド」と言う名前らしい。クラスはごく無難なファイター。
ファイターって言うのは、魔法に頼らないその戦闘スタイルはシンプルだけど、強力な技を使う戦闘のスペシャリストだ。
きっと、この男も技の強力さを求めていったせいで剣があのサイズになったんだろうな。脳が筋肉じゃないといいけど。


「そんなにオレの体が気になるか?」

やば・・つい気になってチラチラ見てしまっていた。しかも気づかれていたとは何たる不覚ッ!


『んと、その大きな剣を、その細身の体で振るえるのか気になったんにゃん』

「あぁ、オレってちょっと人より筋肉の質がいいらしくてさ」

その男、人差し指と親指の二本の指だけで、その巨大な剣を軽々と持ち上げて見せたんだ。


『は?』

「驚きました」

どんだけ重いのか剣を置いて触らせてもらったけど、クリーダと二人でもビクともしなかったよ。


巨大な両手剣を背負った長身の男は、信じられない位の怪力ファイターだったんだ。
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