トリックス☆スターズ
太陽は完全に地平線に隠れた様だ、赤黒い空が徐々に暗闇に変わっていく。
「むっ?今いきなり街の雰囲気が変わったぜ」
ラピスの言うとおり、突然街の雰囲気が完全に変わった。
どう表現すれば良いだろうか、見た目はそのままの街なのだが、この街が存在している世界が全く別の世界になったと言う様な異様な変化が起こった。
そして、窓の外の石畳の隙間から液体の様なものがにゅるにゅると這い出して来ていた。
「えぐぅーッ!隙間から何か出てきてるぞッ!」
液体の様なものは徐々に何かの形になって行く、それは人の形にも似ているが姿勢が違う。
人の形をした物は、ただうようよとその場に佇んでいる。
「ありゃ酷いな…あれって亡霊みたいなものか?」
『どうなのか試してみましょう、
ルビーさんやってみて下さい』
「はいよー」
ルビーは目を閉じ、タクトを大げさに振る様なモーションを描いた。
ラピスは「あれもまた魔法とは関係ないんだよな?」とでも言いたそうな顔でわたしを見た。
向かいの建物の壁から炎の玉が飛び出し、そして人の形の様な物体にけたたましい爆音を上げて命中した。
炎に包まれたその物体は全く慌てふためく様子もなく、今までの鈍い動作から少しスムーズな動きに変化すると炎の飛び出した壁に接近して行った。
その間、壁からの炎は断続的に噴出し、人の形の物体を攻撃していた。
人の形をしたその物体は少しずつ燃えて小さくなって行くものの、動きのスピードは変わらなかった。
やがて人の形をした物体が壁にたどり着くと、炎はロウソクを吹き消す様にフッと消えてしまった。
そしてゆっくりと壁から離れると、またうようよとした動作に戻った。
『何が起こったのでしょうか』
「ちっ、トラップ壊されちゃったかー」
「そんな感じだな」
『それでも大収穫なのは炎のダメージはしっかりとあった事ですね
大分動きが不自然になりましたから』
「いや、最初から大分動きは不自然だった様な気がするが…」
「まーこれで、物理攻撃は一応通用するって事だよなッ!」
このマトラ旧市街の夜は、人の形をした物体の徘徊する街だった。
「むっ?今いきなり街の雰囲気が変わったぜ」
ラピスの言うとおり、突然街の雰囲気が完全に変わった。
どう表現すれば良いだろうか、見た目はそのままの街なのだが、この街が存在している世界が全く別の世界になったと言う様な異様な変化が起こった。
そして、窓の外の石畳の隙間から液体の様なものがにゅるにゅると這い出して来ていた。
「えぐぅーッ!隙間から何か出てきてるぞッ!」
液体の様なものは徐々に何かの形になって行く、それは人の形にも似ているが姿勢が違う。
人の形をした物は、ただうようよとその場に佇んでいる。
「ありゃ酷いな…あれって亡霊みたいなものか?」
『どうなのか試してみましょう、
ルビーさんやってみて下さい』
「はいよー」
ルビーは目を閉じ、タクトを大げさに振る様なモーションを描いた。
ラピスは「あれもまた魔法とは関係ないんだよな?」とでも言いたそうな顔でわたしを見た。
向かいの建物の壁から炎の玉が飛び出し、そして人の形の様な物体にけたたましい爆音を上げて命中した。
炎に包まれたその物体は全く慌てふためく様子もなく、今までの鈍い動作から少しスムーズな動きに変化すると炎の飛び出した壁に接近して行った。
その間、壁からの炎は断続的に噴出し、人の形の物体を攻撃していた。
人の形をしたその物体は少しずつ燃えて小さくなって行くものの、動きのスピードは変わらなかった。
やがて人の形をした物体が壁にたどり着くと、炎はロウソクを吹き消す様にフッと消えてしまった。
そしてゆっくりと壁から離れると、またうようよとした動作に戻った。
『何が起こったのでしょうか』
「ちっ、トラップ壊されちゃったかー」
「そんな感じだな」
『それでも大収穫なのは炎のダメージはしっかりとあった事ですね
大分動きが不自然になりましたから』
「いや、最初から大分動きは不自然だった様な気がするが…」
「まーこれで、物理攻撃は一応通用するって事だよなッ!」
このマトラ旧市街の夜は、人の形をした物体の徘徊する街だった。