トリックス☆スターズ
「そんじゃ今度はこっちから行かせてもらう」

ヘリオは低く構えた姿勢から一直線にあたしに向かって来た、あたしも負けてはいられない。だって全ての物質はあたしの味方なんだから。

この広場には既に小細工魔法が広範囲にかかっている、つまりこの広場はあたしの意のままに操ることが出来るんだ。
更にそれらのおかれている情報も知ることが出来る。もしその範囲にトラップが仕込まれていたらそれを知る事が出来るし、同時にあたしのトラップに変わるって事にもなる。

今の状況を簡単に言えば、ヘリオはあたしの手のひらの上に立ってる状態。あたしは圧倒的に有利なんだ。

ヘリオが物凄い勢いで近づいている、その速さは目で追うことが難しいけど地面からの情報で補う事が出来そうだ。


『あれ!?』

突然、ヘリオの反応が消えた…地面には居ない、と言う事はッ!

『上ッ!』

「バレたか」

上空から何故か両手を広げ、にこやかに落ちてくるヘリオから素早く避け、ついでにヘリオの着地地点に細工をしてやった。
ニヤけるあたしを見てかヘリオは剣を振って着地地点をずらした。ちぇっ・・せっかく底なし沼にしてやったのになぁ。
ヘリオは近くの石を拾うと着地予定地点に向かってそれを投げ込んだ、石は「ボッチャン!」と言う音を立てて深く沈んでいった。


「しかし、お前の攻撃は優しすぎるな
 もっと本気で攻めて行かないと相手にダメージを与えられないぞ」

『う…、わかったんにゃん』

ヘリオの言う通りだね、確かにあたしは相手を傷つける攻撃をしてなかった。そういう攻撃だって使えたのに何故か使わなかった。


「次わたしに向かって来てもらえますか?」

「いいぞぉ」

トン!と言う音を残し、ヘリオがクリーダに向かって飛んでいった。その様子を地面からの情報を加算して観察するあたし。
ヘリオはプラズマや複数の丸い玉を次々と避け、ついにはクリーダの間合いに入る事に成功したんだ。
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