トリックス☆スターズ
クリーダの光のもやに触れたヘリオの剣は無残に燃え、そしてハーフサイズになってしまった。

大事な武器をやられて流石に気落ちした感じがするヘリオ、それを見て少しかわいいとか思ってしまった。


『剣は材料の鉄があればあたしが直せるんにゃん』

「マジかよ!?スゲェなお前って鍛冶屋も出来るのか」

『あたしはベイカの何でも屋もやってるのだんにゃん』

「おーおー、その話聞いたことあるぞ!?
 アレってお前の事だったのか」

へぇー、あたしの噂がヘリオの耳にまで届いてたんだ、何だかちょっと面白いね。


「まだ続けられますか?
 剣でバランスを取っていた様なので、半分になれば多少なりとも影響があると思いますが」

「せっかく面白い戦いが出来てるんだ、続けさせてもらうさ
 次はお前でいいか?」

ヘリオは半分になった剣をあたしの方へ向けて言った。

『うん、今度はもっと気張るんにゃん』


ヘリオはあたしの真正面からゆっくりと腰を落とし、低い姿勢のまま静止した。
今度はあらゆる方法を使ってヘリオを迎え撃つつもりだ。

『行くんにゃん』

ヘリオの足に足かせをし、真下とそして左右から土で作ったタケノコの様な形の鋭いトゲを生やす、更に走れない様に地面の摩擦をなくしてやる。あたしはそれらを同時に真正面にいるヘリオに発動させた。

『へ!?』

離れていたはずのヘリオに魔法を発動させたはずなのに、そのヘリオは今あたしの目の前まで来てるじゃないかーーーッ!
ヘリオが剣を振るうモーションに入ったとこで、強制的にあたしは小細工魔法の力で右10メートル程へと移動した。
具体的に言うと地面に足を掴んでもらって引っ張ってもらったんだ。
不自然にズザーッとコケながら滑るあたしを見て、ヘリオは剣を途中まで振った状態で唖然としていた。
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