トリックス☆スターズ
『ペッペッ!どうだ驚いたかんにゃん!』

「あぁ、マジで驚いたわ…丸見えだぞ」

『んなッ…?うげぇぇぇーーーッ!?』

足を引っ張って滑ったせいで、あたしの服装が随分とオープンになってしまってるじゃないかッ!
いそいそと服を直すあたし、スゲェ恥ずかしいったらありゃしない。


『何という屈辱ッ!もう許さないんだんにゃんッ!』

「…オレのせいかよ」

あたしはヘリオの足元をスッと指さし、そして地面を爆発させてやった。
そうさ、全ての物質はあたしの味方なんだ。その物質を爆発させる事だって出来るんだ。
しかし、土煙りの中を高速で移動しているものがいる、しかもこの感じだとさっきの爆発は全然効いてないな。
あたしは足元の土に乗り、コケない様にバランスを取りながら移動して間合いを保ちつつ、ヘリオの反応がある少し先の地面を予測して連続で爆発させて行った。

「よし、大分いい動きになって来たな、だが…」

あれ…?ヘリオの反応が消えているぞ!?連続で地面を爆発させていたせいで見失ったんだ。地面レーダーには反応なし、という事はまた上か!?
急いで上を見てみたけど何も居ない、ヤバい…一体どこに行っちゃったんだ!?


「つーかまえたッ!」

『うぎゃーーーッ!?』

いきなりあたしの真後ろに沸いたヘリオに羽交い絞めにされたんだ、そのまま持ち上げられてあたしは足を空中でバタバタさせていた。

「うっはぁー!かぁーわいぃなぁぁーッ!よぉーしよしよしよしーーッ!」


すごい勢いで頭をグリグリ撫でられた、何となくどっかのおじさんが動物に言う様な事言われた気がする。
確かに今はネコさんの格好をしてはいるけどやっぱり腹が立つ。


『ぎぇーーーッ!!離せェェェェッ!』
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