トリックス☆スターズ
『ヘリオもずいぶんお風呂早いけど、もう用事は済んだのかんにゃん?』

「ん?あぁ、後は明日を待つだけだからゆっくりと汗を流そうと思ってな」

『軍の試作品はもらって来たのかんにゃん?』

「いや、それは明日の作戦前って話だ」

『残念だんにゃん、どんなのか見たかったのに』

「まー、そん時になったら見せてやるさ」

ヘリオがお湯に浸かったせいで、よく見えなくなった事にあたしは残念さを覚えた。
仕方ないので湯船のへりに座り、それとなく続きを見る事にした。


「お前なぁ・・神聖って言うなら…そんなジロジロ見るなよ」

そして、それとなく作戦がまるで通用していなかったと言う。


『うん?珍しいから見たいだけだんにゃん、そんな事男がイチイチ気にするな』

「そんなもの見ても目の毒ですよ」

「お前もそんなものとか言うな
 つーか、二人とも少しは隠すとかしたらどうなんだろうね」

あたしはともかく、クリーダも全然気にしてないみたいだ。
クリーダも服の露出は恥ずかしいみたいだけど、フルオープンだと気にならないんだな。ヘリオだけが恥ずかしがってるこの状況ってちょっと面白いかもしれない。


「ヘリオさん聞きましたよ、提供者になってもいいそうですね」

「お?もう話したんか?」

『あぅん』

「ただ…、ヘリオさんはこの子に強い感情を抱いてますので、提供してもらうとしたらわたしと言う事になりますが、それでも提供して頂けますか?」


「えッ!?」

ヘリオはビックリしてクリーダの顔を見つめ、次にあたしの顔を見た。その顔にあたしは困った顔でかすかに頷くしか出来なかったよ。


「…何でだよ」

「提供して頂く以上の事は何1つして頂く訳にはいかないからです
 この子に提供して頂くとしても、その後二度と会わず全ての事を口外しないでいられますか?」

「そ…それは…」

「わたしはそうする事はあなたを不幸にするだけだと思うのです
 なので、この子に提供して頂く訳にはいかないのです」

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