トリックス☆スターズ
『作戦ですが、ナイトの特性を生かしたものを考えています』

「ナイトの特性?」

『まず、ルビーさんが小細工魔法で乗り物を作ります』

「ルビーってそんな事も出来るのか?」

「へっへーッ!小細工魔法に出来ない事は皆無に等しいのだ」

『それにラピスさんが乗ります』

「んむ?オレだけが乗るのか?
 お前やルビーは?」

『わたし達はその間にある場所へ移動しておきます』

「ふむ」

『そして、街をくまなく走ってもらって、
 道中の物体を聖なるオーラで全部引き寄せてください』

「ふむ、よく知ってるな聖なるオーラの事なんか」

「あたしだって知ってたぞッ!
 ナイトは聖なるオーラありきだからなッ!」

『全部引いた後、この街の悲劇を生み出した魔導士の所へ向かいます』

「なるほどな、全部一掃しようってのか
 だが魔導士がどこにいるかなんてわからんだろ?」

『それなら大丈夫です
 乗り物が最後に行き着く所がそこですから』

「ふむ、つまり乗り物は自動で動くって事か?
 ルビーってなんかスゲェな」

「あたしはスゲェのだ、見直したか?
 惚れたのかッ?惚れちゃったのかッ!?」

「それはないな」

「オ~ノォ~!
 フラれたのかッ!?ネタ振りでフラれたのかッ!?」

「いや、そういう事じゃなくて…
 このオレにそんな資格がないって事だ」

「うむ、責任を感じてるのだな
 もしあたしが同じ事になっても同じ様に思うのか?」

「あぁ」

『わたしの手の事なら気にする事はないです
 こうなったのはわたしの不注意ですから』

ラピスは黙ってわたしのなくなった左腕を見ていた。
< 23 / 209 >

この作品をシェア

pagetop