トリックス☆スターズ
「スッゲェー!ほら見てみるのだッ!
 ラピスの奴おしくら饅頭してるみたいだぞッ!」

『あんなに乗ってよく馬車が壊れなかったですね』

「そりゃ100人乗っても大丈夫ッ!って程丈夫に作ったからさッ!」

カボチャの馬車は、大きな木の前でゆっくりと停止した。
その物体は、木の様に見えるが木にしては少し不自然に見える。

広場に続々と物体達が集まって来た。

「大分集まったナァー!
 でもアレが全部ラピスに来たら長くもちそうにないなッ!」

『えぇ、いくらナイトと言っても限界がありますからね
 ラピスさんも大分衰弱して来ています、
 聖なるオーラを使い果たしたら、その時はひとたまりもないでしょう』

「だよなッ!
 勇者さまだからって完全無敵が永遠に続くなんて言うのは
 超ツマラナイ設定だもんなッ!」

馬車が止まった所で、ラピスは自分により固まった物体達を一気に跳ね除けた。
すると、物体達はまるで雪崩の様に馬車から転げ落ちて行った。

「おぉーッ!勇者さまはまだ元気そうだぞッ!
 焼却の準備は出来たのか?」

『えぇ、後はラピスさんに渡せばいいだけにしてあります』


「おぉーいぃっ!着いたぞぉーーーッ!!
 この後どうすりゃいいんだぁーーーー!?」

ラピスが叫んでいる。

「流石勇者さまは別格だなッ!あんなのにも大人気だッ!」

『ラピスさんッ!そこにある大きな木に向かって下さいッ!』

「木ぃ?」

不思議そうな顔をしたラピスだったが、さっきの物体がまた馬車に登ってきたのを見ると、急いで馬車から飛び降りると巨大な木に向かって走った。

マトラ旧市街の中央広場には、巨大な大木が生えていた。
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