トリックス☆スターズ
散々待たされたけど、やっとここの責任者に会えるらしい。
あたしとクリーダは軍のテントの中に案内された。
大きなテントだけど、何故かあまり人がいないんだなぁ。
警備兵らしいのが20人位と、偉そうな男が1人と、その男に諂ってるのが2人か。
でもって、この偉そうな男が将軍なのかな?

「私はここの責任者のサルファーだ
 魔戦士組合と言うのはキミ達か」

『そうだんにゃん』

そう答えたら、偉そうな男の横の2人がビックリした顔をしてたんだけど、何か変な事したかな?

「はい、魔戦士組合です」

クリーダがあたしの口を押さえて勝手に喋り始めたよ、やっぱり何か変な事したのか?心当たりがさっぱりなんだけど。
一通り依頼の内容をクリーダが説明すると、サルファーって人は「うぅむ」と唸っていたよ。

「演習場所は移動しよう」

それが、考えた末にやっと出た答えか。そんなの即答でいいだろう。

「サルファー将軍、ありがとうございます!
 では私達はドラド村に戻ってその旨を伝えたいと思います」

あたし達が帰ろうとして振り返ったら、いつの間にか大勢の兵隊が道を塞いでいたんだ。
そればかりか、あたし達は両腕を掴まれて動けなくされちゃったよ。

「将軍…これはどういう事ですか?」

「キミ達はルクトイを見ただろう?
 あれは軍の最高機密なのだよ、よって帰す訳にはいかんのだ」

『軍の最高機密ならもっと密かにやるもんだんにゃん!』

「ドラド村はうっかりしていたよ、まさかそこまで音が届くとは思わなかった」

『大音量で届きまくりだったんにゃん!
 とんだ安眠妨害だんにゃん!』

「「きさま、その変な口を慎め!」」

将軍の横に居る2人が今になってズカズカと出て来たと思うと、木琴のバチみたいなものであたしの頭をペチペチっと叩いた。
1人1発で、2人で2発叩いたよ。

『いったぁーッ!!』
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