トリックス☆スターズ

15.悪寒

あたし達はドラド村の仕事を無事終えて、あたし達の暮らす街に戻って来た。

辺りはすっかり暗くなっていたけどそのまま魔戦士組合へ向かい、書類を提出して報酬を受け取った。

『やっぱり難易度低いと報酬も少な目だんにゃん
 死ぬ思いまでしたのに…』

「そうですね…
 でもドラド村の方達にとっていい事したと思って次もガンバりましょう」

『そうだんにゃん!
 んじゃー、次の仕事でも見ておくかんにゃん!』

クリーダがパートナーじゃなかったら多分死んでいたであろう、あの「鬼退治」の報酬はビックリする程安かった。
いや、ホントは報酬は最初から書いてあったんだけど、あたし達がちゃんと見てなかったんだよね。
「鬼退治」っていう単語にばっか目がいっちゃってたよ、とんだおっこちょこいさ。

しかも難易度が低い設定なのに、結果として軍の最高機密と戦う事になった訳じゃない?
そりゃね、当然組合に文句は言ったさ、だって報酬は組合が見積もりを出してるはずだから。
でも受けた時点で全てを了承した事になるからって追加の報酬は出すことは出来ないって言われたさ。
その代わり、近いうちのランクアップは期待していいって言われたから、今回は特別に許してあげることにしたんだ。

え?ルクトイの事を組合いに言ったかって?そんなの言える訳ないじゃん!
仮にも軍の最高機密だったんだからさ、そういう情報を漏らしたら安心して眠れなくなっちゃうよ。

後注意する事はね、依頼の内容は秘守義務があるから依頼を受けた人以外には喋れないんだ。ここの職員となら相談窓口で話せるけど、それが軍の最高機密ともなるとまず話せない訳。
とにかく守らないといけない決まり事は絶対守る事、もし魔戦士組合に入る事があるなら気を付けた方がいいよ。破ったらペナルティーが重いからね。

あたし達は依頼の仕事が貼られている掲示板前へと移動した。
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