トリックス☆スターズ
スフェーンはいつもこうなんだ、あたしの嫌がる事を無理やりさせてその反応を見て笑うんだよ。
あたしはしょうがなく、ベンチに座ってるイケメン男子の前に立った。
イケメン男子は既にビックリした様な顔してるよ、うぅ・・帰りたい。

『あの…、あ、あたしとドーナツ…食べませんか?』

「!?いや…結構」

すっごい嫌そうな顔された、でもこれで引き下がったらもっと酷い目に遭わせられる。

『お願いしますッ!』

「オレ…ドーナツ嫌いなんだよな」

しつこく頭を下げて頼み込んで、やっとドーナツ食べてもらえた。
イケメン男子は涙を流してるあたしを見てとっても困ってたよ。絶対変な人だと思われたろうな。
スフェーンとシンナバーの所に戻ったら、二人が大爆笑してた。

「良かったねーッ!食べてもらえたじゃんッ!」

「おチビは売れ残ったみたいだけど?」

「そっか、かわいそーなおチビたんだぁ」

「男性は本能的に、元気な子を産みそうな女を選ぶんだからしょうがないんだよ」

全く言いたい放題だね。

「さて、今夜の宿を探そっかーッ!」

『仕事は?』

「そんなの明日明日!今日は街を見物して散歩してー」

「スフェーンはおチビとごにょごにょしたりしなかったりするんだねッ!」

「えぇーッ!?変な事言わないでよ
 するに決まってるじゃないッ!アハハハハーーーッ!」

「なぁーにぃ?今日はどんな手口でぇ?」

「そうだねぇー…ってッ!手口言うなッ!」

「楽しみーッ!
 明日の朝ナボラ湖におチビが浮かんでたら犯人はお前だッ!ってスフェーンを指差してキメ台詞を言うからね!」

「ぶッ!なにその簡単すぎるサスペンス!」

この二人のネタ会話では、昔からあたしはバッドエンドを迎える。
今回の仕事がとにかく無事に終わる事だけを願って止まない。
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