@名もなき冒険者
しばらく進むと奥に灯りがもれているのが見えた、ゆらゆらした頼りない光りだ。


『もうおではまでねぇ、はやぐ儀式を!』

『あわでるな、もう準備はでぎでいる!』


大きな声の会話が通路に響いた。

さっきのオークの他にもオークがいる様だ。

それにしてもオークの声はとにかくでかい、相手が目の前にいようと常に怒鳴り声の大きさのトーンだ。

それでもオークにとっては抑えているつもりらしい。

灯りがついた部屋をそっと覗いてみた。


部屋は案外広く奥行が10メートル位あり、幅も7メートル位あるだろうか、自然に出来た空間を更に削って作られたかの様だ。

その部屋の中央の床には奇妙な魔法陣が描かれており、二匹のオークはそれをはさんで立っていた。


さっきのオークと、クリスタルの首飾りをやたらとたくさん付けた、余り見ない格好をした容姿に白く長い杖を持ったオークだ。


『はやぐ儀式を!』


下っぱ魔導士のオークはやけに焦っている。


『まぁまで!まずぜづめいをずる』


どうやらこれからするのは打ち合せが必要な事らしい。

『いまがら神獣タイタンを弱いじょうだいで召喚ずる!
つぎにタイタンを魂縛りのごの陣でがえれなぐずる!
ぞじでおまえはタイタンをごろずのだ!』


『神獣をごろず!?ぞんなごど、、おでにでぎるのが!?』


『じんぱいずるな!弱いじょうだいで喚ぶ、ぞれに陣のぢからでタイタンはうごげない!
そじておまえには!』
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