@名もなき冒険者
下っぱオークの体に描いた魔法陣が輝やき、渦巻き状にゆっくり回転した効力を発揮した。
すると、下っぱオークの口からモヤ状の光が放出し始めた。

『ぐぼおおおお!がらだがおが!?いっだいだにをじた!』

『よろごべ!
お前みだいなザゴでもやぐに立でるのだ!』


白い杖の先をそのモヤにからめ、くるくると白いモヤを巻き取っていった。

下っぱオークは巻き取られる程、段々喋れなくなって行き、最後の方は何も喋らなかった。

全て巻き取ったのと同時に下っぱオークはその場にドサッっと崩れ落ちた。

『ぐぶっ!、ぐぶっぐぶっ!』

これでも笑い声の様だ。


『ばがなやづめ、騙ざれてるともじらないで!
この儀式でぢからをでにいれるのはおでなのに。
ザゴはしょぜんザゴ、おでさまの役に立っだ事をごうえいに思うがいい!ぐぶぶっ!』

召喚士オークは、巻き取った綿菓子の様に杖についた光に向かってそう言うと、魔方陣の上にぽいっと置き、神獣の光の玉を杖で拾った。

リュート『(何て奴だ…)』


召喚士オークは杖についた神獣の光を下っぱオークの口に突っ込んだ、口からもれる光が少しづつ吸収されている様に徐々に小さくなって行った。


リュート『(やるなら今しかないな)』

「(うん)」


わたしたちはオークのかぶりものから飛び出し、召喚士オークに襲いかかった。


『ぐほ!?ぐぜものどもめ!ぎざまだぢはなにものだ!』

リュート『ただの冒険者さ』

リュートは斧で殴りかかり、わたしは弱体3点セットを放った。

しかし、わたしの魔法ははじかれ、リュートの斧もダメージを与えられなかった。
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