@名もなき冒険者
このオークは思っていたよりもずっと高位らしい。


『ぐぶっ!ぐぶっ!ぞんなこうげぎ、おではなんでもない!
おではかつて王の側近をやっていだのだ!
そじで、おではこれがら新たな王になる
おまえだちは、おどなしぐ見ているのだ』

そういってオークが軽く杖を一振りすると、リュートはじき飛ばされてしまった。

リュート『うぐ!』

「リュート!」

リュート『まいったな…あいつ信じられない位つぇぇ、、俺じゃ全然歯が立たないや
キミだけでも逃げてくれ』


召喚士とは大体が本体は力を持たず、召喚して力を発揮するものらしいけど、このオークは単体でも信じられない程の力を持っているようだ。


「いやだ!
わたしはリュートを置いて一人だけ逃げたくない」

リュート『俺は動けそうもないんだ、サンドリアに向かって、この事を報告して欲しい…
二人ともやられちゃったら、この事実を伝えられなくなる』

「やだやだ!報告なんかよりリュートの方が大事だから…、わたしは、、わたしは、、一人になりたくない…」


わたしはリュートにしがみついて泣いていた。

他人に涙を見せたのは初めてだった。

『くぶっぐぶっ!
おまえ逃げでもいいぞ、逃げだらそいづはごろずがな!』

「そ、じゃあ逃げなかったら見逃すって事ね?
あなたを見込んで信じてあげるから、ありがたく思いなさい!
未来のオークの王様?」


わたしはこのオーク命を軽んじた行為や、汚らしい発音についイラッとして好戦的な態度をとった。


『ぐぼっ!?くぶぶぶ!
おで、おまえぎにいっだ!
ぎにいった者にはおで嘘づかない!
よかろう、1人より2人の方がよぐ伝わるだろうじな!』

リュート『…マジかよ…度胸あるなキミって』
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