@名もなき冒険者
─森へ


ほんとに街は人が多いな、ともかく装備と整えて城壁の外に出てみよう。

支給品の赤い箱を開けてみた。

中には小ぶりな粗末な剣と、サンドリアマークの入った服が入っていた。

わたしは街の外に出るため、競買の横を通り門に差し掛かると、丁度傷ついた正規軍が帰って来たところだった。



それを迎える者もいる。

その身なりからすると、少しは偉い人らしい。


傷ついた兵隊の隊長らしき男が迎えの者に報告している、場がわっと明るい雰囲気になったと言うことは良い報告なのだろう。

【ラヴォール村】が何とかって会話が聞こえた。

今は別にどうでもいいや、わたしには日銭のが優先だし。


噂によるとサンドリアに集まった冒険者の中に、もの凄く強い冒険者のパーティーがいるらしい。

そんな人達ともし一緒に冒険をしたら命がいくつあっても足りないだろうな。

もっとも、今のわたしにはありえない話だろうけど。


サンドリアの街の外に出ると、そこには綺麗な森が広がりきれいな小川が流れていた。

モンスターもうさぎやミミズと言った、見た目からして弱そうなのばっかだ。

モンスターと言っても元は温厚な動物や虫だったんだよね、クリスタルの影響を受けて凶暴化してしまったのか。

でもモンスターはモンスター、とりあえず糧優先で行こう。



目の前にいたうさぎに、冒険者登録時に支給される剣を抜いて斬り掛かった。



ふぅ…ウサギにすら苦戦するとは。
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