@名もなき冒険者
その後何匹か倒してみたけど、今一武器の取り回しがわからない。


重い武器を力任せに振り回す、明らかに無駄が多く武器に振り回されてるのが自分でもわかる。

剣も使ったの初めてだし、最初はこんなもんなのかな?


『ちょっとあんた』


後ろで声が聞こえ、振り向くと、高そうな白い鎧を着たそれ程若くなさそうな男が立っていた。

「なにか」

と答えると

『おまえさ、白魔導士だよな』

「まぁ…そう見えるならそうかな」

『っっ、、って、自分が何だかわかってないのかよ』

「そんな事に興味ないから、話はそんだけ?」

『いや、おまえの武器さ。それって剣じゃない』

「剣」

『白魔導士って確か、刃物はご法度だったんじゃなかったかなって思ってさ』

「そうなの?知らない」

『実際扱えてないだろ?
 そんなおまえにはこんな棒切れがおすすめだ』


白い鎧の男がくれたのは銀色に光り輝く杖だった。

手にすると見た目の大きさよりずっと軽く、しかも不思議に力がわいてくる。


「凄く高そうだけど…いいの?」

『さっきから見てたんだけど、余りにおかしくてさ
 大事に使うって約束出来るならおまえにやるよ』

「!やっぱいらない」

笑われた事に恥ずかしくてしょうがなかった。

わたしは男がくれたその杖を、白い鎧の男にぐっと差し出した。
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