@名もなき冒険者
モーグリ
─ モーグリ
街は人だらけなのに、冒険者の居住区は静かだった。
きっと今もどこかで冒険してるんだろう。
たくさんあるそれぞれの扉には冒険者の名前がかかれた木札がかかってはいるけど、大部分の部屋は留守の様だ。
その留守の部屋の窓から所々灯りが見られる、冒険者は留守だけど留守番だけはいる場合があるのだ。
留守番をしているのはモーグリである。
もちろんわたしのハウスにも、雇われたモーグリはいるはずだ。
モーグリは小ブタの様なコロコロした体つきに、背中には悪魔の様に黒く小さな羽が生えており、頭から一本の針金の様なものがピョンと出て、その先にはまるでオレンジの様なナニカがなっている。
そして人のことばを喋り語尾は『クポ』。
冒険者一人にモーグリ一匹が担当する仕組みらしい。
冒険者の留守を守り、冒険者を『ご主人さま』と呼ぶ謎の生物。
何故モーグリがレンタハウスに配置されているのかは知らない、サンドリア側も特にモーグリの話には触れなかった。
モーグリ達にはきっと何か目的があるとは思うけど、見返りも貰わずに仕えているのは不思議だ。
『はじめましてクポ、
ボクはモーグリのモーグと言いますクポ!
ご主人さま、今日からボクがあなたのお世話をするクポポ~!』
「そう、よろしく。
ベッドってないのね」
『ご主人さま、ベッドならブロンズベッドがおすすめクポ~!
冒険の疲れも何もかもよくとれるクポ!
それに~それに~…』
モーグは一生懸命ブロンズベッドの良さを力説してくれた。
「お金ないからしばらくは無理」
『クポ…残念クポ』
モーグはがっくりとへたり込んだ
街は人だらけなのに、冒険者の居住区は静かだった。
きっと今もどこかで冒険してるんだろう。
たくさんあるそれぞれの扉には冒険者の名前がかかれた木札がかかってはいるけど、大部分の部屋は留守の様だ。
その留守の部屋の窓から所々灯りが見られる、冒険者は留守だけど留守番だけはいる場合があるのだ。
留守番をしているのはモーグリである。
もちろんわたしのハウスにも、雇われたモーグリはいるはずだ。
モーグリは小ブタの様なコロコロした体つきに、背中には悪魔の様に黒く小さな羽が生えており、頭から一本の針金の様なものがピョンと出て、その先にはまるでオレンジの様なナニカがなっている。
そして人のことばを喋り語尾は『クポ』。
冒険者一人にモーグリ一匹が担当する仕組みらしい。
冒険者の留守を守り、冒険者を『ご主人さま』と呼ぶ謎の生物。
何故モーグリがレンタハウスに配置されているのかは知らない、サンドリア側も特にモーグリの話には触れなかった。
モーグリ達にはきっと何か目的があるとは思うけど、見返りも貰わずに仕えているのは不思議だ。
『はじめましてクポ、
ボクはモーグリのモーグと言いますクポ!
ご主人さま、今日からボクがあなたのお世話をするクポポ~!』
「そう、よろしく。
ベッドってないのね」
『ご主人さま、ベッドならブロンズベッドがおすすめクポ~!
冒険の疲れも何もかもよくとれるクポ!
それに~それに~…』
モーグは一生懸命ブロンズベッドの良さを力説してくれた。
「お金ないからしばらくは無理」
『クポ…残念クポ』
モーグはがっくりとへたり込んだ