Dangerous city
「!!」

突然の発砲音。

同時に俺達が身を隠している建物の窓ガラスが割れた。

「ハルカ伏せろ!」

反射的にハルカの頭を押さえて身を低くさせた俺は、警戒しながら窓の外を見る。

「…何てこった」

そこから見えたのは、建物に迫ってくる錯乱者の群れだった。

先程包囲された時と同様に、それぞれ手に凶器を持った暴徒達。

だが今回は更にタチの悪い事に、精神に異常を来たした警察官も数人混じっていたのだ。

警察官ならば、当然の如く拳銃を携行している。

本来ならば市民の平和と安寧を守る為、最終手段として発砲を許可されている拳銃。

彼らはあろう事か、正気を失くして容赦なくその拳銃を俺達へと向けていた。

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