Dangerous city
epilogue
あの街から生きて脱出できたのは、本当にまぐれに過ぎなかったと思っている。

あと5分、いや1分遅れていれば、俺は錯乱者達に嬲り殺しにされ、ハルカは陵辱の限りを尽くされていたのだろう。

だから、俺はあの地獄のような街を自分の力で生き残ったとは思っていない。

しかし、六道さんは言うのだ。

「お前はその地獄で生に執着し続け、絶望する事なくサバイバルを続けた。類稀な生存本能を持っていたからこそ、お前はハルカちゃんを守って生き残る事ができたんだ」

彼は病院のベッドで包帯だらけになった俺の肩を軽く叩く。

「誇っていい。お前とハルカちゃんが生き残ったのは、お前の力だ」

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