Dangerous city
しかし俺達は運が良かった。

ちょうど窓の下に、車が駐車していたのだ。

白いワンボックスカー。

俺はしっかりとハルカの体を抱き締め、そのワンボックスカーの屋根へと背中から落下する!

直後、目の前に火花が飛び散るような衝撃。

落下のエネルギーを吸収しきれずにワンボックスカーの屋根は大きくひしゃげ、フロントと言わずリアと言わず、ガラスが粉々に砕け散った。

俺の体は車の屋根で大きくバウンドした後、アスファルトの上に叩きつけられる!

「っ……っっ!!」

悲鳴も上げられないほどの強烈な衝撃。

背中を強かに打ちつけ、呼吸すら止まる。

その後、襲ってきたのは悶絶するほどの苦痛。

だがその痛みで己の肉体が受けたダメージを確認できる。

酷い打撲ではあるものの、骨は折れていない。

何とか立ち上がり、行動できる程度のダメージだった。

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