Dangerous city
「まずはあの連中に対抗するだけの武器が欲しいわね…恭一の傷の手当てをする為に薬とかも手に入れたいけど…」

そんな事を言い出したのは、意外にもハルカの方だった。

男でも心が折れそうな最悪の状況下で、彼女は生存の為の方法を模索し始めていた。

その事に正直、驚きを禁じ得ない。

「…何よ?か弱く脅えてた方がよかった?」

ハルカがフンと鼻を鳴らす。

「お生憎様。私もそれなりにこういう場数は踏んだから、ちょっと打たれ強くなってるの。それにあんな正常じゃない連中にいいようにされて殺されるなんて真っ平御免よ。何としても生き延びてやるんだから」

…どうやら過去の事件…『アミューズメントタワーシステム暴走テロ』と『大学病院占拠事件』の二つがハルカに与えた影響は、心の傷だけではなかったようだ。

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