Dangerous city
傷の手当てはともかくとして、確かにハルカの言う通り武器の調達は必要だ。

こんな無法地帯でいつまでも丸腰のままというのは、死期を早める事に他ならない。

「よし…行こう」

俺は立ち上がる。

それとほぼ同時に。

「ヒハあぁぁァアぁァアあぁぁあ!!」

頭上からの奇声!

何と建物の屋根から、一人の男性錯乱者が飛び降りてきた!

とはいえ、かなりの高さだ。

着地の瞬間、錯乱者の足がおかしな方向にグニャリと曲がる。

完全に骨折した。

それでも。

「ああぁあハァアアァあァぁァア!」

痛みを感じていないのか、不自由そうに折れた足を引き摺って錯乱者は近づいてきた。

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